1 相談の概要
相談者は、ゴルフ場を複数経営するA社でした。
A社が経営するゴルフ場の中で、借地の地代の負担が重く、必要な設備投資できないゴルフ場がありました。
A社は、ゴルフ場の賃料の負担を減らし、できる限りゴルフ場に設備投資する方法を模索している状況で相談に来られました。
2 賃料減額の交渉
2-1 方針
ゴルフ場という性質上、賃貸人が多数存在しているため、個別の賃貸人と地代の減額交渉を始めるにあたり統一的な基準を設ける必要がありました。
そこで、固定資産税と賃料の関係性を指摘する裁判例をもとに、固定資産税を基準とした交渉を行うことにいたしました。
2-2 任意交渉
上記の方針に基づき、賃貸人に対して個別に地代減額の要請を行いました。すると、A社の経営するゴルフ場が、地域の方々に愛されているゴルフ場であった、ということもあり半数以上の賃貸人は地代の減額に応じていただくことができました。
2-3 民事調停
任意交渉に応じていない賃貸人に対しては、各賃貸人に対して賃料の減額を求める民事調停を申し立てることにいたしました。
裁判所の手続きを通じて、調停委員を交えながら各賃貸人と交渉を行いました。必要に応じて、不動産鑑定を用いて適切な賃料の算定に関する資料等を補充し、裁判所を説得しながら賃貸人と粘り強く交渉し、合意を目指し、調停を申し立てた事案はすべて地代の減額に成功いたしました。
3 結果
上記のように交渉を続けた結果、賃料の7割以上を占める大口の賃貸人とも減額の合意を締結することができ、A社が支出していた地代の総額を相当額減らすことができました。